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第8回患者友の会勉強会『しびれが起こる病気』

第8回 「しびれが起こる病気」

            講師 : 有村公良 院長

 

平成23年度最後となる「患者友の会勉強会~神経内科の病気のお話~」は3月24日開かれ、有村公良院長が「しびれが起こる病気」と題して話しました。
 

 神経内科の病院では、大勝病院もそうだが、「しびれ」や「めまい」、「頭痛」を訴えて来院される患者さんが多い。多いということは、いろんな病気を伴っているので、診断はそう簡単ではない。治療も難しいところがある。本日はこのうち「しびれ」についてお話するが、しびれはいろんな病気で起こることを知っていただきたい。
「しびれ」とは、一般には感覚の異常なことをいう。ジンジン、ビリビリする。医学用語で異常感覚という。触ってもわからない感覚低下。痛みや熱さ・冷たさがわからない温痛感低下。重症だと火傷を負うこともある。触ると変な感じがする錯感覚。人によっては運動麻痺のことを「しびれ」と表現したりする。
 しびれが起こった時は、どんな感覚で起こっているかをしっかりと具体的に説明することが大事である。
起こった時、直ぐ病院に行かなければならない「しびれ」がある。中枢性(脳、脊髄)のしびれである。

①突然起こった時。昼食の直後とか、はっきりと発生時を特定できるしびれである。主に脳卒中が起こっている。
②半身のしびれ。
③両足または四肢のしびれ。これは脊髄からきており、要注意である。
④運動麻痺を伴うしびれ。麻痺はどんどん進行していく場合がある。
⑤言葉が出にくいしびれ。これは明らかに脳に支障がある。脊髄で言葉が出ないということはありえないので。
⑥激しい頭痛を伴うしびれ。くも膜下出血の可能性が濃厚。

「しびれ」について患者さんを診る時、私たちはまずどこから来たしびれかを診る。脳からきたしびれは、多くは脳卒中によるもので半身のしびれが特徴的。たいていは麻痺を伴っている。時に麻痺を伴わないものもあるが。脊髄からきたしびれは、腰から下とか境目のはっきりした水平性のしびれが特徴的で危険。以上のような「しびれ」が起こったら、直ぐ救急車を呼ぶ必要がある。
 

しびれは大きく分けて二通りある。これまで述べた脳や脊髄から起こる中枢性のしびれと、脊髄から先の神経で起こる末梢性のしびれである。中枢性の方が危険性が高いが、実は手足のしびれの多くは末梢性である。
 中枢性のしびれが多くの場合、力の入らない麻痺を伴うのに対し、末梢性のしびれは、手や足の一部がしびれたり、両足先がしびれたりする。症状はいつとはなしに始まり、少しずつ悪化する。ギラン・バレー症候群という例外はあるが、運動麻痺は伴わない。また、感覚が鈍いというより、ビリビリとしたり、ズキズキうずくような痛みを伴ったりすることが多い。
 末梢性しびれについて、椎間板ヘルニアや脊椎菅狭窄症などの神経根障害型と、単神経障害や多発ニューロパチーなどの末梢神経障害型の二つのパターンについて説明されました。
大勝病院では、中枢性から末梢性まで、ほとんどの「しびれ」の診断が可能なことも紹介されました。
患者・ご家族や近隣の方々が参加され、「しびれの話は初めて聞いたので多くのことを学べました」「初めて参加しましたが、お話は分かりやすく、ありがたく聴講させていただきました。素晴らしい試みです」「主人のリハビリに付き添い来院していますが、これまで気づかないところもあった。貴重なお話に感謝しています」「多くのしびれとその発生メカニズムがよく分かりました」などの声が寄せられています。

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