第12回患者友の会勉強会~神経内科の病気のお話~
「脳卒中について」
講師 : 大勝秀樹医師
大勝病院の患者さま・ご家族を対象にした医療講座・第12回「患者友の会勉強会~神経内科の病気のお話~」は9月29日、大勝病院6階研修室で開催いたしました。今回の講師は大勝秀樹医師。演題は「脳卒中について」
講座で大勝医師は、脳卒中とは何かについて触れ、脳の血管が詰まる脳梗塞と、脳の血管が破れる脳出血・クモ膜下出血に大別されること、さらに脳梗塞にはアテローム血栓性脳梗塞(脳内外の大きな血管が梗塞=動脈硬化)、ラクナ梗塞(脳の小さな血管が梗塞)、心原性脳塞栓症(心臓でできた血栓が脳の血管に飛んできて詰まる)の3タイプがあることを紹介。その診断と治療法、再発予防や後遺症対策について話されました。
「脳梗塞の中には前兆として、一過性脳虚血性発作(TIA)という症状を起こす場合がある。ほんの短時間、通常は10分以内続いて、自然に消える。片側の顔面や手足が動かない、しびれる、片目が見えない、物が二重に見える、言葉が出ない、ろれつが回らない、といった症状である。短時間で消えたからといって油断は禁物。すぐに病院受診を勧める。また、高血圧、糖尿病、心房細動、喫煙、大量飲酒、脂質異常症、虚血性心疾患・抹消動脈疾患の方は、脳梗塞を発症しやすい。糖尿病のある人は、脳卒中や狭心症、心筋梗塞などの虚血性心疾患になる危険性が3倍以上に高まるとされる。タバコを吸う人は吸わない人に比べ脳卒中の危険性が高い。しかし禁煙すると、その危険性は吸わない人と同程度に下がる。また、酒は百薬の長といわれるが、飲みすぎると脳卒中になりやすくなる…等々、具体的にかつ分かりやすくするために、専門用語はなるべく避けて講義して頂きました。「脳卒中の患者さん、ご家族にお願いしたいことが二つある。一つは、突然悪くなったり、新たな症状が出てきたら、すぐに119番。もう一つは、再発予防薬は生涯にわたって服用が必要。勝手に止めないで相談を!!」と締めくくられました。
かねて血圧が高く脳卒中が気になっている身として、とても勉強になりました。